めかぶの戯言

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【ネタバレ無し】「ザ パージ(The Purge)」シーズン1の舞台背景やシリーズ構成の解説・感想

 こんにちは、最近エンタメ補給はもっぱらこたつでアマゾン・プライムのめかぶです。

 

「一夜だけ、殺人だろうと何だろうと、どんな罪を犯しても無罪放免」

もしもそんな祝日ができたら、何します?

 

今回は、そんなショッキングな祝日が制定されたアメリカを舞台にしたお話「ザ パージ(The Purge)」について、舞台背景やシリーズ構成の解説と、海外ドラマ版の感想をまとめました。

大ヒットスリラー映画「Purge」シリーズのドラマ版 

 

パージ (吹替版)

パージ (吹替版)

 

 

映画『Purge』は日本でも2015年に公開されて、その大胆な舞台設定と息詰まるバイオレンスな描写により話題となりました。

 

6才のボクが、大人になるまで。』のイーサン・ホーク主演、監督はジェームズ・デモナコ、『バッドボーイズ』や『アルマゲドン』などで知られる映画監督マイケル・ベイも『Purge』の製作に参加しています。

 

その後も『Purge:アナーキー』、『Purge:大統領令』と続編が製作され、『Purge』シリーズは低予算ながら200億の収益を上げた大ヒットを記録。

 

そのドラマ版が「ザ パージ(The Purge)」であり、こちらも監督はジェームズ・デモナコが務めています。

 

 

 「The Purge(パージ)」シーズン1のキャスト

・Hannah Emily Anderson(ジェナ役)

・Colin Woodell(リック役)

・Jessica Garza(ペネロピ役)

・Gabriel Chavarria(ミゲル役)

・Amanda Warren(ジェーン役)

 

 

では次に、物語のキモとなるPurge法について解説していきます。

 

Purge法とは?

「purge」とは、英語で「粛清する」「処分する」という意味を指し、新しい建国の父とされる政党の「NFFA」が制定を推進・施行した法令です。

 

先述したように「1年に一夜だけ、殺人だろうと何だろうと、どんな罪を犯しても無罪放免」となる法令です。

 

荒唐無稽にも思える世界ですが、リアリティを感じさせるような細かいルールがあります。

 

・年に1回、PM7時〜翌AM7時の12時間

・Purgeの時間内は殺人も含むすべての犯罪が合法化される

・Purgeの時間内ははすべての警察、消防署、医療サービスが停止

・政府の要人には手を出せない

 

ドラマ版の中では明確に説明されないものの、細かいルールは他にももろもろあるようです。

映画シリーズの中では「重要インフラに対する破壊行動は禁止」といったルールもあるようです。

 

映画・ドラマ版ともにPurgeが導入された理由は、公には「国民のガス抜きをして、年間の犯罪発生率を低下させる」ということになっています。

 

だったらなにも医療サービスまで止めなくてもよくないか!?と思いますが、実はこの裏には「貧困層や暴力分子などの排除」を目論むNFFAの陰謀があるのです。

 

つまり、NFFAの考えとしては「Purgeターゲットとなる社会的弱者や犯罪常習者は全部死んでしまえ」ということですね。やだ怖い。NFFA怖い。

 

しかし物語の中では「Purge」の施行によって犯罪率と失業率が1%まで低下、経済も改善したとされています。

 

ドラマ版「Purge」のあらすじ

海外ドラマ版は、そんな何しても捕まらない祝日であるPurgeの日を舞台に5人の男女の一夜を描いたお話です。

 

NFFA主催のパーティーへ向かう夫婦、ジェナ(Hannah Emily Anderson)とリック(Colin Woodell)。

カルト教団に入信しpurgeによって自殺しようとするペネロピ(Jessica Garza)とその兄である元軍人ミゲル(Gabriel Chavarria)。

華やかなキャリアを持ちつつ上司に不満を抱く会社員ジェーン(Amanda Warren)。

 

話はPurge開始時刻の数時間前から始まります。

Purgeの日を無事にやりすごすため、Purge対策がされたセキュリティシステムによって家のドアや窓などを覆ったり…大半の人々は外には出ず家で安全に過ごすための準備をします。

 

しかし5人は、家にこもっていられないそれぞれの事情があります。

 

それぞれ立場も生い立ちも異なる5人はPurgeの夜を生き抜けるのか?

 

開始時刻を迎え、それぞれの意思とは別に狂乱のPurgeに巻き込まれていきます。

 

Purge感想、ここが面白い!

Purgeによって豹変する人々

ドラマ版の醍醐味と言えるのが、登場人物の生い立ちや過去などの細かい人物描写です。そしてそれは登場人物だけでなく、Purgeによって変わっていく町の風景や、普段は隠された人々の暴力性も細かく描かれています。

 

purge開始前に近所の人が武器となる刃物を研いでたりして、登場人物が思わず見入ってしまうと「安心しな、ターゲットはあんたじゃねぇよ」なんて言われてホッとするシーンがあるんですが、じゃ誰殺すんだよ怖ぇよさっきまで朗らかに近所付き合いしてたじゃん、と背筋が寒くなるシーンが絶え間なくあるんです。

 

purge開始後は道を歩けば、マスクして暴徒と化した人たちが手当たり次第銃で人を襲っていたり、燃えながら助けを求める人の姿があったり、車で人引きずってはしゃいでる人がいたり、死体が吊るされてたり、もう地獄ストリートですね。

そして外で暴れている人の多くがマスクをしているということは…つまりこの人たちは犯罪常習者や異常者ではなく、普段は普通に生活をしている労働者や中産階級といったごく普通に生きる人々だということなんです。

purgeの日は日頃の憂さを晴らすべく殺人を犯し、翌日には何食わぬ顔で日常に戻るということでしょう。町で暴れるほとんどの人が当たり前にそれを行なっていることが、より不気味さを増しています。

 

それって年に1回Purgeの日があるのが当たり前になっているもんだから、

憎い上司や昇進争いしている同僚などムカつくやつがいたら

「てめぇ。。。!絶対Purgeしてやるからな。。。!」

なんて思って自分のPurgeリストに名前書いとく…ということがアメリカ国民のなかで日常化しているってことですよね。Purgeがある世界では日頃からなるべく恨みを買わないように生きることが求められそうですね…!

 

むしろPurgeリスト消化するだけなら善良な方で、手当たり次第殺すやつもたくさん居るときたら、そりゃ家に篭るわな…! 

 

 挙句TVでは殺人ショーが放映されていたり、奴隷売買のように殺すための人を競り落とす祭りがあったり、「今夜は殺しもOK♪さあ殺そうぜ!イェーイ!」的な、悪趣味の限りが尽くされるわけです。

 

Purgeから垣間見る格差社会

アメリカ全土が弱肉強食の無法地帯と化す「Purge」の夜を生き延びれるのは、頑丈な家や高度なセキュリティを導入できる裕福な人々のみとも言えるでしょう。

 

先述したNFFAの陰謀「貧困層や暴力分子などの排除」によって、家も武器も持てない貧しい社会的弱者が、暴徒たちの日頃の憂さ晴らしのための格好のターゲットになってしまいます。カルト教団に入信しPurgeによって他人に殺されて自殺しようとするペネロピもそのひとりです。

 

しかしこういった社会的弱者排除の考えや格差による淘汰は「殺人」でなくともあらゆる国で見られる現実的な問題としても考えられそうですね。

 

加えて、そういった「殺される側」にも「殺す側」にもならない層には「生き延びるために他人を見捨てる」といった利己的な価値観も窺えます。

しかしドラマを観ているとそういった価値観に思わず共感を覚えてしまいます。

 

アメリカ版バトルロワイヤル

めかぶがこの作品を見てすぐ連想したのが「バトルロワイヤル」です。

リアルな若者(しかもクラスメイト)の殺し合いを映画上映するというのはかなりリスキーなことであり、当時は社会問題にまで発展しました。

バトル・ロワイアル

バトル・ロワイアル

 

 ほかにも限定された条件において人間の暴力性が解放される点では「ハンガーゲーム」「デスノート」も似たテーマの映画ですね。

 

しかし「ハンガーゲーム」は舞台が現実とは違う異世界だったり、「デスノート」は死神というSF要素があったり、現実世界と重なり過ぎないような設定になっています。

 

Purgeは時代設定をずらしているだけでもろアメリカが舞台。しかもその時代設定も2020頃で現実世界に被せてきてますよね。

しかもそれをドラマとして放送・配信するというのはすごいことだと思います。

 

「人間誰しも凶行に走る暴力性を潜在的に備えている」という価値観が多くの人に共感を得る時代になってきているということなのか…社会的背景についても深く考えさせられます。

 

日本での配信は?

海外ドラマ「Purge」は元々アメリカのNBC系列ケーブル局で放送されたものを、日本ではアマゾン・プライム・オリジナルで公開しているだけのようです。

 

 

 

正直、Purgeは胸糞悪いシーンの連続です。しかし、Purgeを観た方は、必ず「もしも自分だったら」「もしも日本だったら」と考えてしまうと思います。

胸糞悪いシーンから見える社会や人間の暴力性、正しいことがわからなくなった時に見失ってはならないものについて深く考えさせられました。

 

でも子供には絶対見せちゃダメな話ですw

 

 本国アメリカではすでにシーズン2がスタートしています!

シーズン1は完結しているので、シーズン2は新たな主人公たちのPurgeの夜が描かれるのでは?とめかぶは予想しています。

早く次が見たい!

 

追記:シーズン2が配信開始!

2019年10月よりアマゾン・プライムでついにシーズン2の配信がスタートしました!

毎週金曜に新話がUPされています。

シーズン2ではパージの運営者側やパージが終了した後の日々が描かれているようです。

ドラマのシーズン1や映画版とも違った目線になるので楽しみですね!!

見終わったらまた感想UPします♪ 

それでは、おそまつ!